2018 Spring/Summer

 Sasga koko 2018年春夏コレクションは南アフリカ出身のジャズトランペッターHugh Masekelaの 'BEEN SUCH A LONG TIME GONE'という曲にインスパイアされました。

曲の主人公がモロッコから暑いサハラ砂漠を行き、ナイル川をどんどん南下しタンザニア、ウガンダ、マラウィ、モザンビークへとアフリカ大陸を冒険する歌です。

Been such along time gone..  
I often try to remember how it was 
my memory draws faded pictures
although in my dreams, I see myself walking through the marketplace in a tiny Moroccan town
waiting for the caravan to take me across the mighty Sahara

The desert Sun is blazing hot
there’s a sandstorm coming our way

The nearest oasis; a thousand miles away
we got ten days to go to reach the Nile

Sailing down the river Nile
Nubian valleys, green with dates and olives on the banks
Tanzania’s lakes are sparkling ahead
flowing through Uganda straight into Malawi where the green of Mozambique flows into Zambezi...

-BEEN SUCH A LONG TIME GONE-
Hugh Masekela
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 子供の頃からアフリカへの強い憧れがあり、今でこそ飛行機に乗るのも簡単になりましたが、当時アフリカ大陸は私にとって最も非現実的で行く事が難しい夢のような冒険の土地でした。「明日の事は何もわからないよ。もしかしたらアフリカに行っているかもしれないよ。」というのがずっと口癖です。

 その強い憧れをさらに刺激したのがこの曲で、曲が進むごとに情景が変わり、映画を見ているかのように背景の色や主人公の服などイメージできるのです。

モロッコのマーケットをサンダルとカフタンやドレスで駆け抜け、キャラバンで砂漠を渡り東についてからは1930年代から1950年代風のエレガントでクラッシックな女性がサバンナへサファリに向かうのです。

 

 2017年の夏、子供の頃からのその夢が叶い、タンザニアへ行く事ができました。

 白は私の好きな色であり、いつも白の服は作るのですが、女性たちの着るカンガやキテンゲのカラフルなアフリカンプリントもさる事ながら、タンザニアで着る白は格別に輝いていたように思います。タンザニアの日差しは色を強く鋭く反射させるようであり、また街中も舗装されてない土の道や緑の木々が色とデザインをより一層引き立てているようでした。

 また、ホテルのサービスや警官の方々など白いユニフォームが多いのですが、タンザニアの人々はみんな背筋がまっすぐで、もちろん肌の色とのコントラストも美しく、今まで見た中で一番シャープで品の良い白を見た気がします。

 Sasga koko 2018春夏の白は綿麻素材で程よい張りがあり、着た時に背筋を伸ばして自信を持って歩いていく女性をイメージしています。また深めのスリットや大きく開いた背中のデザイン等、暑い日差しと共に女性らしさを楽しむような露出で皆さんの素敵な夏の味付けになりますように...

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追記 ここで紹介したHugh Masekelaさんは2018年1月23日に78歳でお亡くなりになられたそうです。このコレクションをデザインしていた2017年夏は彼の音楽をずっと聴いていたので、特に寂しい気持ちです。R.I.P