一着の服にパーソナルなストーリーができるように…
私は子供の頃から何かを作るのが好きでした。
もっと言えば、”世界”を作るのが好きでした。
それがお絵描きであれば主人公とその国。物語を空想するのも好きだったし、音楽を聴けばどこでどんな状況でそれが流れているのか想像を膨らませます。
そのうち、小学校のクラスメイトの個性を一人ずつイメージし、少し誇張されたそのキャラクターに似合うお洋服を描いて一人の時間を楽しんだりもしました。例えば、おとなしいイメージの子にはフレアスカートを選んだり、賑やかで元気なあの子にはスポーティーな服をイメージしたり…
ファッション、スタイルとは物語や世界感の中で重要な要素だと思っています。
もちろん自分のファッションも想像の世界に合わせて影響されます。
TPOに合わせて服を選ぶと言ってしまえばそれまでですが、実は頭の中で別のストーリーが出来上がっていて、もっと細かいところまでイメージします。今日はあそこでランチをするからテラス席に合う感じでカジュアルに… 空港から出てくるときロングスカートが揺れていたら素敵かも… ビーチの後濡れた髪にはにシワシワになったシャツを着たらかっこいいかも…
まるで、1日の瞬間を切り取ったとき映画のワンシーンのよう思える光景が大好きです。それは自分自身であっても周りの人を見た時でも。
そこに外見だけではないストーリーを見いだし、何でもないその一瞬がより印象的な記憶になるのだと思います。
単純に「あのとき楽しかったよね」ではなく、そのときの匂い、きらめきや、気分。着ているものに影響された軽さや、重厚感が残っている。
そういう思い出はありませんか?
そういった記憶は、誰かと共有しなくても自分だけの大切なストーリーとして人生が彩られていくのだと思います。
服を買うことにも素敵なストーリーがあると思います。
クローゼットの中にどうしても手放せない服はありませんか?それは初めて買った憧れのブランドであったり、出会いを感じた古着だったりするかもしれません。
私にももちろんあります。それを着るだけで自分のスタイルが完成するようで、デザインだけではない特別なものがそこにあります。
Sasga kokoではいつもそんな服作りを目指しています。
2019春夏コレクションは全て一点物です。
一着ずつ生地を選び、素材や色は全て異なる物を使用しています。そして皆さんの毎日のさりげない一瞬が、外側も内側もきらめく為のスパイスの一つになるよう願いを込めて一つずつ製作しています。
あなたを輝かせる色やデザインはあなたが一番よく知っていて、 Sasga koko一のつずつ違う服の中から一期一会のときめきを感じていただければ幸いです。
そして、是非無造作に楽しく着て頂きたいと思っています。
今回のコレクションのインスピレーションは “MUSIC AND FLOWERS IN THE PLACE OF BURNING SUN”
メキシコの熱く乾いた土地で生きる音楽と花を愛する楽しい人々です。
ドレスに身を包んで音楽に体を揺らし、メキシコの花々のように明るくカラフルに一日を過ごす。
外へ繰り出す直前に何も考えずにジャケットを掴み、無造作に羽織る。
そんなストーリーを描きながら作ったコレクションです。
さあ、外に出て様々な経験が楽しくなるシーズンがやってきました!
皆様の毎日がきらめいた記憶に残る物になりますように。
Koko